『ただの炭酸水』はその商品名どおり、本当に“ただの”炭酸水なんです。製造元であるふくれん甘木工場の井戸から採取した地下水にガスを加えただけ。これ以上シンプルなものはない製造法ではありますが、これが季節を問わず売れ続けているという、今や生協の目玉商品のひとつ。
「12年前に生協さんから製造の依頼があった時は、正直言ってこんなものが売れるのかと思っていました(笑)。ここまでロングセラーになるとは驚きです」
当時、開発にたずさわった商品開発部長・武藤幸光さんが振り返ります。とはいえもちろん生協側には『ただの炭酸水』を開発するための大きな目的があったわけで・・・。今のようにミネラルウォーターなどもほとんど市販されていなかった当時、ジュースやお酒と割って飲むことを目的として売られていたであろう炭酸水は、そのままではあまりおいしいとは言えない味わい。
そんな中、シンプルで安全で、余計なものは加えずに、そのまま飲んでもおいしい炭酸水を作りたいという生協ならではの発想で、商品化がスタートしたのでした。
「使っている井戸水は、工場の周辺を囲む古処(こしょ)山に水源を持つ豊かな自然の恵み。硬度も約50mg/lと一定で軟水に分類。口当たりがまろやかでクセがなく、とても飲みやすいんです」
ろ過した水をUV(紫外線)殺菌し、炭酸ガスを注入。基本的にはこれでできあがりですが、シンプルだからこそ味にこだわりをと、製造工程の中にはさまざまな工夫が見られます。
「ジュースなどを作る時に使う水は加熱殺菌するのが普通ですが、『ただの炭酸水』に限っては水本来のおいしさを残すためにあえて加熱はしません。使用する水は念には念を入れてということで3回ろ過し、さらに、炭酸が一定になじむよう、余分な空気を取り去る脱気装置に一旦水を通しています」
ただし、イタリア産の有機レモンの果汁を加えた『ただの炭酸水にレモン』の方は、充填後に加熱殺菌を行っています。
ノンシュガー・ノンカロリーでダイエット中でも安心。シュワッと強めの炭酸がさわやかな『ただの炭酸水』は、そのままでももちろん、いろいろな飲み物やデザートにアレンジできるところがまた、うれしいのです。
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エフコープホームページ『クチコミ広場』より http://www.fcoop.or.jp/
コープ九州の生活情報誌クリム10年8月号より