無漂白でおいしくいただける厳選された数の子を使用。
最近は昔のようにおせち料理を作らなくなった…そんなお宅でも、お正月に数の子だけは欠かせないというご家庭、案外多いのではないでしょうか。逆に縁起ものの数の子さえあれば食卓はお正月らしくなるわけで、日本のお正月と数の子は切っても切れない縁があります。
生協の数の子の一番の特長は漂白していないこと。ニシンの卵である数の子は、打ち身などで時間が経つと色が濁ってくることがあります。卵を漂白することで、数の子は鮮やかな黄色になり、見栄えよく変身するのです。にもかかわらず、生協が無漂白にこだわるのは、漂白に過酸化水素を使うことへの懸念だけでなく、その処理方法にもありました。漂白するには過酸化水素水に長時間浸し、その後、過酸化水素が卵から除去されるまでさらに流水にさらすことになります。これでは卵の持つ本来の旨みや魚の風味がなくなることもあるでしょう。
生協の数の子の産地はカナダやアメリカが中心。漁は近海と遠洋で行われますが、無漂白となると、卵が変色しない鮮度がいい状態での加工が必須ですから当然、近海ものが主となります。3〜4月にかけて漁獲したニシンから素早く卵を取り出し、選別してから塩漬けし、一旦中国に送ってサイズ、色などの2度目の選別を徹底して行い、日本で加工を開始。ここからが天生水産の仕事です。「入荷した数の子を塩抜き、水切り後に調味液に漬け込み、1本ずつ目視で検査して、黒い腹の膜や汚れなどの付着物を取り除きます」。九州の生協では現在、醤油味ベースの味つけの『 無漂白数の子(醤油味)』と、かつおの風味を加え、唐辛子で辛みを効かせた『 味付数の子』の2種類を販売中。各県の生協によって取り扱う商品が異なります(※)。
家庭で作るとなると、塩抜きや味つけがなかなかうまくいかないという声の多い数の子だからこそ、味つけ数の子はとてもありがたい存在。解凍する時は冷蔵庫でゆっくり時間をかけるのがコツです。
コープ九州の生活情報誌クリム12年12月号より