ねじり糸こんにゃく

固まっているかのような糸こんにゃくの束が、

 

生協には、組合員さんの声で開発され たオリジナルアイテムが数多くあります。 今から 23 年前に奈良県の生協で誕生した 『ねじり糸こんにゃく』もそのひとつ。糸 こんにゃくの束をねじってひと固まりに し、ひと口サイズにするために5pほど の長さにカットしたもので、お口の中で 噛めばはらりと崩れて糸こんにゃくその ものの食感を味わえるというアイデア商 品です。「糸こんにゃくをもっと調理しや すい形にしてほしいと、手元の糸こんにゃ くを手で束ねてみせた組合員さんの一声
で開発がスタート。試作品ができるまで の2年間はほぼ毎日、その研究に明け暮 れていましたね」。
そんなふうに当時を振 り返る製造元の且瘻瑞H品・上杉幸作社 長。 66 本の糸こんにゃくを流水とともにねじって結着させ、100mのパイプに 通して 10 分間ゆっくりボイルする。これ らの方法で、ようやく商品として生み出 すことができました。
他にも、独特の風味とコリコリッとし た歯ごたえを出すためにこんにゃく粉と 同量の国産こんにゃく芋を使い、さらに 海藻粉を加えて本来の色を出すなど、お いしさを担う数々の工夫も凝らしている のです。主婦の生の声が生んだねじり糸こんにゃ くは、調理しやすく味もしみやすく、お 年寄りや子どもにも食べやすいと評判。 全国各地の生協でヒットし続けています。

ねじり糸こんにゃくの製造工程

取材を終えて

ねじり糸こんにゃくの開発にあたって一番苦労したのは、66本の糸こんにゃくをいかにして結着させるかだったそうです。「解決策はおにぎりでした。おにぎりを握るときに手を湿らせるとお米がくっつく、そのことにヒントを得て、流水の中でねじって結着させることを思いついたんです」。取材中、上杉社長の開発秘話は尽きることがありませんでした。とにかく、アイデアの粋を集めた糸こんにゃくなのです。(担当S)

 

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