刺身用ほたて貝柱

独特の甘みと、プリッと弾力のある歯ごたえ。世界から注目を集める、オホーツク海の貝柱。

 

北海道のオホーツク海・紋別漁協直営のホタテ加工場では、大勢の人がずらりと並んで作業を続けていました。ホタテの殻からヘラで身を取り出す人、さらに貝柱だけを取り出す人。おびただしい数のホタテを前に、すべて手作業です。

生協の『刺身用ほたて貝柱』はオホーツク産ホタテをこの工場で加工したもの。日本のホタテの産地は、北海道はオホーツクや道南、東北地方に点在していますが、オホーツク産のものは味や品質において欧米からも注目されているそうです。

「オホーツク海に冬場に押し寄せる流氷にはシベリアを流れるアムール川の肥沃な栄養が含まれていて、春になると植物プランクトンを大量発生させ、ホタテのよい餌になるんです」。そう説明してくださったのは、紋別漁協の清水和彦さん。

さらに、他の地域ではカゴやロープに吊るして養殖するのに対し、オホーツクでは稚貝を漁場に播き、海中を自由に泳がせて育ったものを漁獲。貝が海の中でよく動くことで貝柱の身がしまり、甘みの強いしっかりした味に。「そしてもうひとつ、他産地の養殖ホタテの多くは1〜2年で漁獲しますが、オホーツクでは4年間放流しますから、それだけ味も良くなるのです」

プリッとした食感と独特の甘み。お刺身でいただくとその旨味は一目瞭然!他にもカレーやシチュー、バター焼き、炒め物など幅広い献立に活躍します。

 

刺身用ほたて貝柱の製造工程

 

 

 

取材を終えて

貝柱の加工にはほとんど機械が使えず、すべての工程に大勢の人がかかわっています。取材した工場はとても衛生的で、働いている人もすごい数。ひとつひとつの貝柱もとても大きくてびっくり!ところで貝柱って、どんな働きをしているか知っていますか?実は貝柱は貝殻を開閉させるための筋肉だそうで、オホーツク海のホタテのように海中を動き回っているほど、貝柱も引き締まっておいしいのだそうです。
(担当S)

 

コープ九州の生活情報誌クリム09年10月号より

 

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