「まるで肉だんごみたい」と言われるほどゼイタクに、たっぷり使われている豚ミンチ。ご覧の通りニラの量もかなり多めですが、低温で保ったまま加工するため、青臭さもなく、鮮やかな色もそのまま保てるのだとか。「ぐつぐつ煮込んでもスープの色がにごらないよう、万が一煮込んで皮が破れても中の具がバラバラにならないよう、具材の量も工夫しています」
「どうです? このミンチ、きれいな色でしょう。上質な肉の証拠なんです。なにしろ豚肉が命の商品ですからね」
兵庫県加古川市にある潟<Cショクの工場で、『CO-OPお肉がおいしい水餃子』の具材に使用する国産の豚ミンチを見せていただきました。そのにごりのないピンクは見るからにフレッシュで、健康なお肉そのものという感じ。今から約10年ほど前、2年がかりで商品開発を行った企画開発室長の方の口ぶりからは、商品への自信と並々ならぬ愛着が伝わってきました。肉にとことんこだわり、年間を通して全国の生協で売れ続けているということで、この水餃子は製造元にとっても特別な思い入れのある商品のひとつなのです。
ところで、家で作る場合を考えても、餃子といえばけっこうフクザツな製造に違いないと覚悟していたわけですが、この餃子に関してはいたって単純な工程でした。具材は豚ミンチとニラのみ。これらにしょうが、にんにく、醤油やごま油を加えて攪拌し、強力粉で作った皮に包んで冷凍すればできあがり。
「とはいえ、実はたくさんのノウハウが隠されているんですけどね(笑)」
とおっしゃる開発担当者にその一部をうかがうと…。
「使っている肉は国産の豚のうで肉のみ。運動量が多いので赤身はもちろん、脂身もさっぱりしていておいしいんです。調理中は具材の温度の上げ下げをなくし、最初から最後までマイナスの温度帯に保っていますので、肉のうまみが逃げることもありません。肉の味わいを際立たせるニラは多めに使い、他の具材はあえて加えませんでした。肉は塊で仕入れたものを筋や骨をていねいに取り除いてから自社でミンチにするので安心なんです」
さて、そんな水餃子ですが、肝心なお味はというと、これはもしや専門店を超えるかも、と思えるほど! 肉そのものをしっかり堪能できる手作り感あふれるおいしさで、添付のチキンスープともバッチリの相性。もっちりとした皮はつるりと絶妙な喉越し。そしてなんとこの餃子、焼いて食べてもかなり美味!製造元がエフコープの学習会で組合員さんから教わったのだとか。ぜひお試しを。
コープ九州の生活情報誌クリム10年10月号より