お餅と言えば、餅つき。食感とコシを出すために杵つきにこだわる佐藤食品では、工場内に数台の杵つき機が絶えず可動しています。つきムラが出ないよう機械に工夫がほどこされているとのことで、お餅は均一になめらかに。
一帯はどこまでも続くのどかな田園風景。晴れた日にははるか雲仙まで見渡せるという絶景を望む丘の上に建つ佐藤食品工業梶B“昔ながら”とか“懐かしい”とか、そういうお餅のイメージにぴったりな環境の中でCO-OPのお餅が作られていると知っただけで、なんだかとてもうれしい気持ちになりました。
たとえば年末年始。どれだけ上等の料理を食べても、やはり私たちにとってお餅は欠かせない存在。砂糖醤油で、あべかわで、お雑煮で。お餅のない冬なんて「日本の冬じゃない」。そう言っても過言ではないほど、お餅はこれからの季節に大活躍の一品です。
製造しているのはお餅とパックのご飯だけ。そんな佐藤食品工業鰍セからこそのこだわりが詰まったCO-OPの『切り餅』『まる餅』。使っているお米は佐賀県内産を中心とした国産の水稲米のみです。
「お米は玄米で仕入れて自社で精米します。旨味を損なわないよう、品種によって精米を細かく調整し、よりおいしいお餅ができるように徹底管理。お米の味がそのまま商品の味を左右しますから、気を抜くことはできません」
精米した白米は綿密に異物除去を行い、巨大なタンクで精米した後、時間をかけて浸漬。蒸気で蒸し上げ、杵でつく工程へ。いわゆる“餅つき”の作業です。
「ミキサーを使ったり、練り機で練ったり、いくつかの方法がありますが、うちは杵つきのみ。お餅のでんぷんがしっかり絡み合った、コシのあるお餅にするためには、手間はかかっても杵でつくのが一番いい方法なんです」
とはいえ、時間をかけてつきすぎると調理したお餅がやわらかくなり過ぎたり、つき足りないとのびが悪くなったりと、つき方にも絶妙な力加減とつく回数の調整が必要。製造の大きな要ともいえる工程です。
ついたお餅は四角い型枠に入れて急速に冷やし、そのまま冷蔵庫で数日間ねかせてから長方形にカット。上下・側面に切れ目を入れて仕上げます。
コシがあってのびがよく、つるりとした喉ごしと香りが自慢のお餅。おやつにも料理にも使えて、主食にもなる。じつに便利な食材だと思いませんか?
コープ九州の生活情報誌クリム10年11月号より