養殖池から水揚げされ、そばにある選別場へと運び込まれたバナメイえび。とにかくイキがよく、池から網で引き上げる際にははピチピチと跳ね回っています。水揚げは年に2回、サラダえびは稚えびを池に放ってから約3〜4カ月の養殖期間を経て商品に加工。
とにかく驚いたのは、約2000人が働く工場の規模の大きさと、生産にたずさわる皆さんのてきぱきとした動き、どこを見ても清潔に保たれた室内外のクリーンな環境。全国の組合員に圧倒的な支持を誇る『CO-OPサラダえび』を生産する工場のひとつ・タイ南部ラノーン地区にあるシフコ社。製造ラインでは“ワーカーさん”と呼ばれるスタッフたちが無心でそれぞれの作業に励んでいました。水揚げされたえびを選別する人、頭を切りはずす人、ボイルする前のえびを1尾ずつ仕切られたトレイに並べる人、ボイルしたえびのお腹に切り目を入れるマシーンをチェックする人、殻やシッポを1尾ずつ取り除く人…。ラインといっても工程のほとんどは手作業で、各セクションごとにずらりと並んで働くワーカーさんの多さに圧倒されてしまいます。
「原料の質のよさはいう間でもありませんが、何より優先しなければならないのは鮮度。養殖池から水揚げしたのち、すべての加工が完了するまでの時間は早ければ3時間程度です。産地で1回のみの凍結というのも、えびの品質を保持するための重要なポイントです」
工場の責任者がそんなふうに説明する通り、とにかく作業の速いこと速いこと! えびの養殖池は工場から車で約40分という近距離。早朝から水揚げ作業がはじまり、とれたえびはその場で一定の大きさごとに選別、大量の氷で活きジメにして工場に運びこんだら、あっという間にボイルされて商品が完成するというスピーディな流れが展開されています。
「あえて殻つきのままボイルするのは、えびの旨味を逃がさないためです。ボイルする温度と時間も、ボイル後のえびの形をくずさないように殻やシッポを取り除く作業も技術が必要ですし、各工程ごとに洗浄を徹底して異物を混入させないよう、細心の注意も欠かせません」
生協向けのこだわり商品を手がけることはシフコ社の誇りでもあり、だからこそ最大限の力を尽くして製造に励む。そんな心意気が工場からもワーカーさんたちからもひしひしと伝わってくるのでした。
コープ九州の生活情報誌クリム11年2月号より