九州 宮崎のカットほうれん草

歯ごたえも味わいも新鮮なまま!旬のほうれん草を一年中おいしく

霧島のふもと、都城エリアに広がる畑でのびのび育ったほうれん草に生産者の方も満足の様子。冬場に畑を利用でき、さらに地元のお年寄りが作業を請け負っているとのことで「ほうれん草作りは高齢者の雇用対策にも貢献しています」。

宮崎県内の3つの地域で
元気いっぱい、大きく育った肉厚のほうれん草を、一気に加工。

バター炒めやおひたしなど、定番の料理でわかるそのおいしさ! 調理は冷凍のままで。

 手のひらがすっぽり隠れるほど大きくて力強い肉厚の葉が、極太の株から四方に伸びています。今年の冬は雨が少なく、その生育が懸念されていましたが、取材日の前々日からの恵みの雨でほうれん草はすっかりみずみずしさを取り戻していました。いかにも栄養をたっぷり蓄えていそうな濃い緑色を、思わずつまんで口に入れたくなる衝動…。それにしてもこの大きな姿、生で販売されているほうれん草よりもはるかに立派な成長ぶり!「品種は同じですが、加工用に使う場合はあえてこのように大きく育てて収穫するんです」。製造元である潟jチレイフーズの協力工場・新サンフード工業鰍フ担当者の説明にナットク。
さて、この元気ほうれん草たち、どういう商品になるかというと、おなじみのコープ商品・冷凍『宮崎のカットほうれん草』に加工されていきます。
12月から4月にかけて宮崎県内・霧島のふもとに広がる都城や小林、えびのエリアで収穫したほうれん草のみを使ったこの商品は、フレッシュなほうれん草を1年じゅう手軽に使えるとあって組合員に大人気。さらに、昨年末から今年1月中、気候の影響で葉野菜の価格が高騰しましたが、冷凍ものはそのあおりを受けることもないため、さらに利用が増えているそうです。
「工場では、前日または当日の朝に収穫したほうれん草を入荷後、一気に加工処理をほどこします。根を切って洗浄し、数cmの長さに切ってゆでて急速冷凍。それを一旦保管し、供給に応じて袋詰めして出荷するという流れになっています」。ラインを見学していて驚いたのは、それぞれの工程ごとに、繰り返し行われている選別作業。その回数、完成までになんと4回!
「葉が枯れていないか、草や石ころ、虫などが混じっていないか。農産品ですし、とにかく加工は異物除去との戦いです」
昨年冬の、霧島山系のひとつである岳の大規模な噴火による影響もほとんどなく、今年も順調に育ったほうれん草。シャキシャキとした歯ごたえとほうれん草ならではの味わいは冷凍加工でもしっかり健在! 野菜不足の助っ人として、マルチな活躍が期待できそうです。

九州 宮崎のカットほうれん草の製造工程

ぴんと伸びたほうれん草が工場に入荷。
まずは枯葉や異物のチェックを行います。
洗浄は、空気をたっぷり送り込んで異物を浮かせながら。
洗浄後、さらに異物チェック。
素早くカットします。
食感を残し、短時間でゆで上げるのもおいしさのコツ。
手で平らに並べてトンネルフリーザーで急速冷凍。
パッケージ後、出荷。

コープ九州の生活情報誌クリム12年3月号より

 

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