原料の豚肉(上)と牛肉。どちらも赤身がきれい。ほどよい脂身もおいしさの大切な要素です。
「1度使ったら手作りを忘れてしまいました」「家庭で作るハンバーグはこんなにうまくはできません」「同じくらいの値段のハンバーグはありますが、おいしさダントツです」。日生協ホームページのクチコミ広場に投稿されたコメントには、『co・opふっくらジューシー生ハンバーグ』を絶賛する多くの声が掲載されています。とはいうものの…ふっくら≠ナジューシー≠ニいう、素晴しいネーミングを冠した商品に、本当に実力が伴っているのか。すこしだけ半信半疑な思いも抱きつつ、うかがったのは名古屋市にある伊藤ハム鰍フ子会社。工場の最初のラインには、大きな牛肉の塊がいくつもスタンバイされていました。「オーストラリア産の牛肉とアメリカ産の豚肉。どちらも塊で仕入れ、細めのミンチにします」。比率は牛肉約7・豚肉約3。牛肉を多めにしてより肉の味わいをしっかり出しているのだそうです。
専用の機械であっという間にミンチになった肉に玉ねぎのソテー、塩、粒こしょう、パン粉などを合わせてミキシング。成型ラインへ移された生地は、成型機を通ってきんちゃくのように絞り出されてラインの上を流れます。ハンバーグらしからぬ不思議な形に驚いていると、「ふっくら∞ジューシー≠フワケは、じつはこの機械にあるんです」と担当者の方。肉の繊維を縦にして絞り出し、それを上から押さえてつぶして成型しているので、焼いた時に繊維が元に戻ろうとしてふっくらいい具合に膨らむのだとか。さらに、「膨らんだお肉のすき間に肉汁がたまって、すごくジューシーに仕上がるんです」。
この成型機こそがクチコミで賞賛の声を集めている秘密兵器というわけです。
取材後、5種類もの料理を試食しました。煮込みハンバーグ、メンチカツ風、ハンバーググラタン…。いや参りました。口に入れたとたんにジュワーッと広がる肉汁としっかりとしたお肉の風味、ふっくらやわらかな食感。まさにクチコミ通り!手作りは忘れます。家庭ではできません。ダントツのおいしさです。
コープ九州の生活情報誌クリム12年11月号より