薬用入浴剤ヤングビーナスB2

11年の歳月を経て完成。温泉に限りなく近い成分をご家庭で

湯の花小屋で採取される湯の花。粘土と温泉の成分で、小屋の中で霜柱のように育ちます。黄色い部分は鉄分。

湯の花をはじめとする
3つの天然成分でじっくり作る、職人技

袋にシワがないか、正しくシールされているかを確認しながら、ひとつずつ手で箱詰めします。
ほんのり黄色い粉は、生協仕様の天然ビタミン系色素。昔ながらの懐かしい香りもうれしい。

なによりレトロな商品名が印象的ーーですが、「ヤングビーナス」は名前に勝るとも劣らないインパクトと実力を持つ入浴剤であることをご存知ですか? 多くの組合員に、これでなきゃダメ! と言わしめるほどの圧倒的な存在。その理由に、一般的な他の入浴剤とは明らかに異なる原料と製造法が挙げられます。
「温泉成分の湯の花エキス、重曹の一種・セスキ炭酸ナトリウム、火山性成分のホウ酸。3つの天然素材を合わせて撹拌するだけ、と言ってしまえば簡単ですが、これが相当、難しいことなんです」
そうおっしゃるのは、ヤングビーナス薬品工業鰍フ梅田信哉さん。ベースとなる湯の花は酸性で、そこにアルカリ性のセスキ炭酸ナトリウムを加えて化学反応を促すという少し複雑な話ですが…。
「鉄分やミネラルが豊富な湯の花は、そのまま使用すると風呂釜などを傷めてしまいます。そこで、湯の花の有効性を損なわずに家庭で手軽に使えるよう、他の2つの成分を加えることを考えました」
今年で創業51周年のヤングビーナス薬品工業梶B初代社長は当時、11年もの月日をかけて商品を完成させたそうです。
「別府で湯の花を銭湯に卸していた初代は、戦後の傷病兵が湯の花の温泉で傷を癒しているのを見て、なんとかこれを家で使えるようにと研究を重ねたそうです」
入浴剤は一般的に、原料を合わせて香りをつければ完成。ヤングビーナスは原料に熱を加えて混ぜて化学反応を起こし、その後、成分を安定させるために熟成が必要。完成までに3日はかかる職人技です。
別府の明礬温泉には、専用の湯の花を作る茅葺き屋根の小屋が並んでいます。近くの山から採取した粘土と、温泉ガスで生成するミネラルの塊・湯の花。その製法は江戸時代と全く同じだそうで、これにも驚きです。
家庭のお風呂を限りなく温泉に近づけるヤングビーナス。「肌触りがツルツルする」「入浴後のポカポカが長く続く」。一度使ってみると、このようなたくさんの声も、大いに納得できるものでした。

別府で製造した湯の花エキスやセスキ炭酸ナトリウムなどの原料。
ホウ酸も含めた3つの原料をミキサーに入れ、周りにお湯を張って攪拌。※実際に使っている機械ではありません
できあがったものを、成分を安定させるために休ませて熟成します。
完成した商品を自動計量で袋詰め。淡い黄色がきれいです。
最後の箱詰めは一つひとつ手作業で。印字等の確認も忘れずに。
創業当時、先代の社長が原料の攪拌に使っていたたらいを工場のロビーに展示。
これが湯の花エキスとセスキ炭酸ナトリウムの化学反応。出ているのは炭酸の泡。
江戸時代から変わらない茅葺き屋根の小屋で製造しています。
湯の花小屋の中。白いのが湯の花、黄色に染まっているのは鉄分。

コープ九州の生活情報誌クリム13年11月号より

 

過去の記事を読む