ミンチに野菜や調味料を加えて固くならないようにふわっと撹拌します。
「あれは本当においしいよ」「冷凍庫にいつも入ってないとダメ!」。幾度となく耳にする、コープの豚まんに対する賞賛の声。多くの組合員さんに認知されている商品ではありますが、その人気やおいしさの秘密は、いったいどんなところにあるのでしょうか。
今回、潟<Cショクにて製造を目の当たりにし、そのすべてを納得しました。工場には豚まんのプロが何人もいますが、現場の筆頭に立つのが、取締役開発室長の木下英保さん。ひき肉や野菜の配合に混ぜ方、味つけ。生地のこね具合、醗酵、蒸し方に至るまで、すべて計算され尽くしたレシピを従業員とともに研究し、改善を重ねて完成させています。
「弊社は食肉加工をやっていたので、肉の扱いには自信があります。ですから、豚肉はあえて塊で仕入れ、豚まんを製造する直前に自社でミンチにするんです。もちろん、野菜も徹底的に鮮度にこだわりました。具材のおいしさの秘密はそこでしょうね」
粗みじんの野菜は、豚まんを半分に割った際に飛び出ないよう食感が残る大きさにカット。ミンチと野菜を合わせ、醤油や砂糖、ごま油、こしょうなどの調味料を加えて撹拌しますが、
「肉と野菜の旨味。両者がしっかり混じり合うように撹拌するのも大切です」
とはいえ混ぜ過ぎると固くなってしまうわけで、そこはプロの腕と技。
一方の生地はというと、もっちり感を出すために、延ばすと向こうが透けて見えるほどきめ細かくこね上げます。
さて、このようにしてできた具材と生地を包あん機にセットすれば、瞬時に具が生地に包まれ、上部をつまんでおなじみの形に。その後じっくり醗酵させて、蒸し上げていきます。
肉と野菜の旨味を閉じこめた具材は、生地と同量のボリューム! 昨年のリニューアルで、玉ねぎの鮮度を生かすためにソテーをやめて生のまま使用し、ねぎ油を加えて風味アップ。まさに、おいしさへのこだわりを凝縮した一品です。
コープ九州の生活情報誌クリム13年12月号より