パクッと食べられる辛子明太子

発色剤や着色料、保存料も使わない、品質勝負の辛子明太子

酒、みりん、塩、唐辛子などをブレンドして、マイルドな辛さに仕上げた調味液に、48時間じっくり漬け込みます。

ていねいな手作業と緻密な異物チェック。
手間ひまかけた製造

漬け込み後の辛子明太子を一腹ずつ大切に手に取り、計量しつつ、はさみでていねいにカット。従業員の中には、この道30年というベテランの方も。
パックから出して即、食卓へ。マイルドな辛さは子どもにはもちろん、おにぎりや、そのまま酒のつまみにも。いろいろな料理にも使えます。

たしかに、一般の多くの市販品と比べると、色鮮やかではありません。でも、それこそが生協商品としての証。安心して食べていただける商品に、むしろ堂々と胸を張りたくなります。それくらい、品質にも味にもお墨付きのある「パクッと食べられる辛子明太子」。コープ九州で3年前に発売以来、辛子明太子の中では1番の人気商品です。
色を美しく保つ発色剤や着色料、おいしさを維持する保存料を使わずに辛子明太子を作る。そのために必要なメーカーのスキルとはいったい―。工場の中で繰り広げられる製造シーンを目の当たりにすると、そのご苦労が少しずつ見えてきました。
使用している原卵は産地指定のロシア産。すべての工程がほぼ手作業で、大勢の従業員が黙々と明太子を手にする姿が印象的です。
「仕入れた原卵を解凍後、塩漬けにして選別。丸2日間、調味液に漬け込んだ後、液切りして計量後、パック詰めというのが一連の流れです」
そう説明してくださった鮮鼓堂の田原大輔さん。完成までにかかる日数は7日間。しっかりと念を入れた一つひとつの作業が商品の出来を大きく左右することになるのです。
「発色剤や着色料を使わないためにはまず、質のよい原卵を仕入れることがとても大切です」
そしてもうひとつ、重要なことが異物除去。ひげ≠ニよばれる黒い筋をはじめ、原卵にはさまざまな異物が付着していることが多々あります。製造ラインでは、すべての工程で毎回、入念に異物をチェック。なかには、商品の完成後にパックを開け、目に見えるか見えないかほどの小さなひげ≠取り除く場合もあるそうです。
さらに驚かされたのが、ひと口大のカット工程。漬け込み後の辛子明太子を一腹ずつ手に取り、形を壊さないよう、異物確認や計量しつつ、見事な手さばきで切っていくのです。
「この商品の開発は、子どもも安心して口にできるのが主旨です。添加物はなるべく使わず、ひと口サイズで文字通りパクッと食べられ、旨味を生かした調味液で辛さもマイルドに仕上げています」
ロングセラーにはワケがある。まさにそのことを実感した、鮮鼓堂の工場見学なのでした。

カチカチの冷凍で仕入れる原卵。ロシアで漁獲し、船上で凍結したものです。
1の原卵を夜、解凍庫に入れ、朝まで一晩かけて解凍。これが解凍後の原卵です。
解凍した原卵を樽に入れて塩漬けに。粒の食感を出し、保存性が高くなります。
塩漬け後、一腹ずつ異物除去。“ひげ”と呼ばれる筋などを取り除きます。
2回にわたる異物除去の後、一定の大きさと形のものを選別して、このようにきれいに並べます。
調味液に漬け込み。唐辛子の赤い色が印象的ですが、辛さはいたってマイルド。
48時間、漬け込んで熟成させた辛子明太子を液切りし、はさみでていねいにカットします。
1パック分ずつ並べ、唐辛子をパラパラ…といっても、これは辛くない“化粧辛子”。
並べた明太子を、形を崩さないよう、へらですくうようにして発泡トレイへ移します。
パックして冷凍すれば完成。異物確認はこの段階でも、またパック後も行われます。

コープ九州の生活情報誌クリム14年12月号より

 

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