巨大なフライパンに油を熱し、キャベツ、にんじん、もやし、きくらげ、玉ねぎを入れて調味料を加え、しっかり炒めます。
水とスープを沸騰させた鍋に、麺を入れて約2分。具材たっぷりのちゃんぽんが即できあがり。こんなに簡単でいいのでしょうか―。思わずそうつぶやいてしまう「長崎風ちゃんぽん」。組合員によるコープ商品の人気投票「これいいね! 総選挙」では、殿堂入りを果たした実績を持つ一品です。
専門店の味をそのまま再現した製造。そう聞いてやって来たキンレイの工場内では、なるほど、店の厨房さながらの光景が繰り広げられていました。
まずは具材を炒めるライン。熱した巨大フライパンに、キャベツ(茎と葉は別々に火を通します)、にんじん、もやし、きくらげ、玉ねぎを次々に入れて、直火の強火でしっかり炒めます。この、直火炒めもメーカーのこだわりのひとつ。キンレイの担当者によると
「他社では具材をボイルするところが多いのですが、野菜のシャキシャキ感を出すために、うちではあえてガスの炎で炒めています」
しっかり炒めた具材に塩こしょうし、さらに加熱して、コーンを加えれば調理完了。旨味と食感を閉じ込めて一気に冷却します。そして同じ頃、別のフロアでは麺の製造がすでに始まっていました。小麦粉と水を練って帯状の麺帯を作り、少しずつ延ばして、やや太めにカット。具材が絡みやすいよう、断面を四角ではなく丸い形状にしたり、かんすいや卵白を使用していないのも、この麺の特長です。
できた麺は即ボイルし、冷却。1食分ずつ丸いトレイに入れ、上から具材をのせていくのですが…。この工程はさらに圧巻でした。麺の上に炒めた野菜をのせ、絹さや、豚肉、イカ、えび、揚げかまぼこを決まった位置にトッピング。この一連ののせ″業をすべて人の手で行っているのです。
「具材はすべて形が異なりますし、全体のバランスを見ながらの作業なので、機械任せにはできません」
いやいや、何とも手間のかかる商品。殿堂入りの人気というのも納得です。
ところで読者の皆さん、ここまで読んでお気づきでしょうか。そう、このちゃんぽん、具材の種類がすごいんです。その数なんと11! 家でこれだけの具材を揃えたちゃんぽんなんて、そうそう作れません。というわけで、簡単に作れて、野菜もたっぷり摂れて、バラエティに富んだ具材で、お腹も心も大満足。つまり、常備せずにはいられないということですね。
コープ九州の生活情報誌クリム15年2月号より