豚の腕肉の塊を、筋や残骨を取り除きながら、手際よくカットしていきます。
工場に入り、まず担当者に案内されたのが、お肉の加工ライン。数人の従業員が、大きな豚肉の塊に、見事な手さばきで包丁を入れています。
「使っているのは、国産豚の腕肉。よく動かす部位だけに、しっかりとした旨味とほどよい脂肪がのっているんです」
筋や残骨などを取り除き、ある程度の大きさにカットした肉は、一旦冷凍します。その後、よりジューシーさを出すために豚肉の脂身を加えてからミンチに加工。一連の作業は必ず製造当日に行うというのも、新鮮な肉へのこだわりです。
具材に使われている野菜は、玉ねぎとにら。皮をむいた艶やかな玉ねぎが、機械で次々とみじん切りに。その量の多さにも驚きでしたが、「玉ねぎの甘味もおいしさにつながる」のだそうで、なるほど! 納得です。
ミンチにした豚肉、みじん切りの玉ねぎとにら。下準備が完了した肉や野菜をミキサーに投入し、醤油やごま油をベースにした調味液やねぎ油などを混ぜ合わせれば、餡≠フ完成。別のラインで製造した皮とともに成形機にかけて、急速冷凍すればできあがりというわけです。
さて、ご存知の方も多いと思いますが、この商品は「お肉がおいしい水餃子」のシリーズ品として、昨年9月に開発されたばかりです。
「もともとの水餃子も、焼くとおいしいという組合員さんの声を多くいただいておりまして。だったら水餃子のノウハウを生かして、より旨い焼き餃子を作ろう、と」
お肉の量の多さは水餃子と変わりませんが、玉ねぎを入れたり調味料を変えたりと、焼き餃子だからこその変更点もいくつか。なかでも、もっちり、さっくりとした食感に仕上がった皮も、製造元であるメイショクの大きな自信です。
「数種類の小麦粉をブレンド。加工でんぷんを加え、焼いた時にさくっとした食感が出るよう工夫しています」
ジューシーな肉汁がこぼれないようにと、ひと口でいただけるミニサイズの焼き餃子。食べるとわかる、圧倒的なお肉の存在感。肉汁たっぷり、タレは必要ないほどのしっかりとした味わい。冷めても固くならないので、お弁当にもおすすめ。ご飯にはもちろん、ビールとも最強のコンビと言えるでしょう。
「お肉をおいしく食べるための餃子です」と製造元が胸を張る、「お肉がおいしい焼き餃子」。またひとつ、組合員を虜にするコープ商品ができました。
コープ九州の生活情報誌クリム15年4月号より