大豆ドライパック

大豆を蒸すことで栄養を閉じ込め、ほくほくの食感と旨味をキープ

ボイルした大豆を目視でチェック。皮や割れたもの、変色したものなどを、手で丁寧に取り除きます。

北海道産の大豆を厳選した大豆缶は、
幅広い料理に使えて便利

ボイルしたての豆。まだ固い状態で、これを缶に詰めてから蒸気で蒸し上げます。
トーアスでいただいた大豆料理は、どれも絶品! 手前の大豆揚げは、子どものおやつにもぴったりです。

栄養が豊富で、何しろ体にいい。大豆は健康食品の代表格です。コープ商品の大豆といえば、1988年の発売以降、変わることなく支持されている「大豆ドライパック」。国産大豆の生産が減少する中、品質にもこだわり、現在使用している大豆は北海道産100%。粒が大きく、しっかりと甘味を感じる「とよまさり」という銘柄です。缶を開けてまずはそのままいただいてみました。確かに、豆の味がしっかりしていて、甘みもあり、そのままでも十分おいしく食べられます。さらにこの、栗のようなほくほくとした食感が何ともいえず後を引くのですが…。
「そうなんです。 ドライパックと水煮の大きな違いは、そこなんです」
そうおっしゃるのは、製造メーカー・トーアスの担当者。大豆に水を加えて煮る水煮に対し、ドライパックは、水を加えることなく蒸すのが大きな特長。水で戻した大豆を、沸騰させないようにボイルしてアクを取り、その後、まだ固い状態で缶に充填した豆を、殺菌も兼ねて高温で蒸し上げていきます。
「水を加えず、大豆が含んだ水分だけで蒸すので、旨味も栄養成分も豆の中にギュッと閉じ込められるんです」
水で戻した大豆を蒸すだけというシンプルな工程ですが、30年近く前の開発当時は、ドライパックという商品の認知度が低かった時代。大豆の浸漬や加熱の時間、缶の中の空気の抜き方など、実にさまざまな研究が必要だったそうです。
ところで、大豆の料理というと、すぐに思い浮かぶのは、煮物や煮込み料理ではないでしょうか。
「いえいえ、実は大豆はいろいろな料理にアレンジできるんです」
というわけで、トーアスで数々の大豆料理をいただきました。キムチや大根おろしと和えた「キムチ和え」「みぞれ和え」に、コーンを加えてバターと醤油で炒めた「バター醤油いため」。片栗粉をまぶして揚げ、醤油や砂糖などを合わせたタレを絡めた「大豆揚げ」。つぶした大豆をひき肉に混ぜた「ヘルシーハンバーグ」。
和え物は、もう一品というときに簡単に作れ、大豆揚げは甘く味つけすればおやつに。七味をふればおつまみにぴったり。ハンバーグはお弁当にも。工夫次第で料理にも大活躍の大豆の底力をあらためて実感しました。
フタが開けにくいという組合員の声に応え、フタがめくりやすくなった新パッケージへのリニューアルで、ますます便利に使えます。

浸漬して2倍程度に膨らんだ大豆。北海道産の、大きくて粒がそろったおいしそうな大豆です。
大釜に1の大豆と水を入れ、90℃まで温度を上げてボイル。上部に白い泡のようなアクが出てきました。
ボイル後、釜の下から湯を抜き、容器に入れ替えて、缶に詰める工程へと運ばれます。
運ばれた大豆は、振動ぶるい、吸引機という機械にかけて、割れ豆や皮を取り除きます。
その後、目視で的確に異物を除去。機械でなく、人の目が一番の頼りになる工程です。
機械で140gずつ自動計量したと同時に、下に設置した缶に充填される仕組みです。
缶に納まった大豆。おいしそうですが、ボイルしただけなので、まだまだ固くて食べられません。
缶にフタをして、殺菌機に入れてレトルト殺菌。約120℃で殺菌と同時に蒸し上げます。
レトルト殺菌後は冷却し、真空度、重量、印字、缶の汚れなど、さまざまなチェックを経て完成。

コープ九州の生活情報誌クリム15年9月号より

 

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