玉ねぎ、にんじんなど、炒めた野菜と固めに炊いたご飯。ソースを合わせて、さっと混ぜ合わせます。
どんなにオシャレな料理が流行っても、新しいレシピが次々と生まれても、食卓にオムライスが忘れ去られることはありません。それどころか、昨今の洋食ブームも手伝って、オムライスの飾らないおいしさは、ますます私たちの心をつかんでいるような気さえします。
こんがり薄く焼いた玉子に包まれたケチャップ味のご飯、存在感ある鶏肉、そして野菜たち。家庭の味をそのまま再現した「ふんわり包んだオムライス」。家で作るとけっこう面倒で、ことのほか時間がかかってしまうものですが、この商品は電子レンジで約5分あたためるだけの手軽さです。
工場では、シンプルでわかりやすいレシピで製造が展開されていました。まずは玉ねぎ、にんじん、マッシュルーム、鶏肉をサラダ油で炒め、ケチャップやトマトペースト、チキンコンソメなどを混ぜたソースで味つけします。その中に炊きたてのご飯とグリンピース、風味とコクを出すために北海道産のバターを加えて、さっと混ぜ合わせればチキンライスの完成。この“混ぜ合わせる”というのがコツだそうで、ここでしっかり火を通して炒めてしまうと、ご飯に粘りが出てパラパラ感がなくなってしまうのだとか。
できあがったチキンライスは、アツアツのまま次の工程へ。ここで繰り広げられていたのが、圧巻の玉子包みでした。四角いフライパンが連なったような玉子焼き機のラインで、次々とできあがる薄焼き玉子。それを専用のフライ返しで1枚ずつ取り、レモン形のライス型に敷いて、上からチキンライスをのせ、包んでいきます。
一連の流れは一つひとつ、すべて女性従業員による手作業。玉子焼き器から薄焼き玉子を素早く破らないように取るのは、熟練の技が必要。ご飯がはみ出ないよう、玉子できっちり包むのにもコツがいります。さらにこのとき、薄焼き玉子の端が外に出ないよう、中に織り込むのは、電子レンジで加熱した際に端が外に出てしまうと、そこだけ加熱しすぎて固くなってしまうという配慮から。機械化はできない作業です。
ラインのほとんどが人海戦術による製造。加熱をガスによる直火で行っているところにも、家庭的な印象を受けました。この商品を製造している西川食品は全国でも珍しい冷凍オムライス専門の製造工場。たくさんのノウハウが詰まったオムライス、ぜひ、家庭の冷凍庫に常備しておいてください。さまざまな食卓のシーンで活躍すること、間違いなしです。
コープ九州の生活情報誌クリム16年2月号より