ふんわり包んだオムライス

フライヤーからころころと揚がって出てくる肉だんご。これだけでも十分おいしそうです。
検品のライン。一つひとつのだんごを一瞬で見て、不良品をはじいていきます。

うちは肉だんごと鶏つくね串を全国で販売する、冷凍食品に特化した工場です。ミートボールなどの丸いもの′nの冷凍品では全国ナンバー1のシェアなんです。
しっかりとした甘酢あんの味がご飯に合うし、3つずつの小分けがお弁当に便利です。
2012年に一度リニューアルしたんです。玉ねぎを増やして食感をよくして、子どもさんにも食べやすいよう生地の甘味を若干強くしました。今、全国の売り上げは九州が1位ですが、やはり甘味の文化は九州なんですね。

まずは生地作りのライン

すごくいい匂いがしますね。
甘酢あんの匂い、おいしそうでしょう(笑)。こちらが生地を作る機械です。鶏肉と豚肉のミンチにみじん切りの玉ねぎとパン粉を加え、塩やこしょう、ごま油などで味つけして混ぜます。
混ぜる時間はどのくらい?
だいたい15〜20分ぐらいですね。しっかり粘りを出してダマにならないようにするためには、結構な時間がかかるんですよ。お弁当用ですから、冷めてもふっくらとやわらかい生地に仕上げるのがコツです。
そうですよね。
完成した生地は成型機に入れます。そうするとほら、こうやって1個分ずつの肉だんごになって出てくるんですよ。
おもしろいですね。これ、どういう仕組みなんでしょうか?(口頭で説明を聞きましたが、撮影はNG)

フライヤーで揚げて商品に

できた肉だんごはすぐにフライヤーで揚げます。菜種油を使って、160℃で3分程度ですね。
またまた揚げたてのいい匂い! つまみたくなります(笑)。
揚げ物は食感が命ですから、こんがりカラッと揚がるように、温度も油も工夫しています。
あの方(揚げた肉だんごが流れるラインを凝視する人)は何をされているんですか?
検品ですね。一つひとつ瞬時に見て、不良品をはじきます。
不良品?
ふたつくっついていたり、揚げ色にムラがあったり、形が悪かったりするものです。
なるほど。で、甘酢あんを絡めて袋詰めにするんですね。
いえいえ、じつは肉だんごと甘酢あんは別々に袋に入れるんです。ほら、あの機械がそうです。先に甘酢あんを充填して、その中にだんごを3つずつ小袋に入れて脱気(空気を抜く)して…。
そして冷凍。ちなみに甘酢あんはどうやって作るんですか?
醤油や酢に、砂糖とみりんで甘みを加えて、加工でんぷんでとろみを出します。

会議室にて試食

この味! 懐かしくていいなぁ。やはり甘さがミソですね。お肉の味もしっかりしてるし。
うちのブランドで出しているものより、やや大きいサイズなので食べごたえがあるでしょう? あと、この商品は甘酢あんのツヤとか、肉だんごとのほどよい絡み具合も大切なんです。
たしかに、ツヤツヤの甘酢あんが絡んだ肉だんごは、お弁当を開けたときの「ワーッ!」ていう喜びにつながりますからね。
甘酢あんの量が多いので、野菜といっしょに炒めたり、蒸し野菜にのせてもおいしいですよ。
まずは会議室でメーカーの概要や製造している商品、工場のフロアなどの説明をお聞きしました。
見えにくいですが、これが甘酢あん。肉だんごに絡みやすくするための、ほどよいとろみがポイントです。
鶏肉と豚肉のミンチをベースに、玉ねぎやパン粉、調味料を加えて撹拌した生地。
生地を成型機に入れると、この通り。1個分ずつの肉だんごになって出てきます。残念ながらこの機械は企業秘密で撮影NGでした。
一瞬たこ焼きのようにも見えますが…。揚げた肉だんごは、1個ずつ穴に入り、充填用の小袋へと送られます。
充填は、まず甘酢あんを小袋に入れた後に、肉だんごを3つずつ入れます。
小袋を検品しながら、向かい合わせで、7袋になるよう3袋と4袋に分けて外袋に入れていきます。この作業、かなりのワザが必要なのだとか。
工場内は「清潔区」「準清潔区」とエリアによって分かれていました。衛生管理も徹底されています。
工場内にて、小袋の印字についての説明を受けています。
小袋にタレと肉だんごを入れたら急速冷凍。外袋に入れれば完成です。
ボリュームたっぷり! お弁当の主役にぴったり!
白地に赤のラインがひときわ目立つ工場。「お弁当用肉だんご」は2010年からここで製造しています。そばには青い海が広がり、海水浴場も近いそうです。

コープ九州の生活情報誌クリム16年4月号より

 

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