コープ九州は、九州・沖縄地区の8つの生協の事業連合です。

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おいしいコープ探検隊

おいしいコープ探検隊(クリム19年9月号より)

うまくちしょうゆ 1L

取材協力/フンドーキン醬油株式会社(大分醤油協業組合)(大分県臼杵市)
撮影/久保成人(St.Séek)

従来品から塩味を抑えてリニューアルしたさばのみぞれ煮。
食べきりサイズで幅広く大活躍

だし取りに使うかつお節は2種類で、味や香りを引き出すために絶妙なブレンドをしています。

製造途中の麹。手間ひまをかけた丁寧な醤油づくりは、ここから始まります。

定番料理の煮魚は、うまくちしょうゆのおいしさと素材の味をしっかりと感じることができます。

よく「九州の醤油は甘い」といわれます。逆に、九州の人にとっては「関西や関東の醤油は辛い」となり、地域性や好みも強く反映されるのが醤油。代々同じ醤油を使っている家庭も少なくないでしょう。一般的な「こいくち」と「うすくち」のほか、この「うまくち」も九州で愛される醤油の一つです。
本醸造醤油にかつおだしやみりんなどを加え、塩味や風味をまろやかにしたうまくち醤油は、冷奴などに使うかけ醤油が始まり。その後、組合員からの要望で、煮物などの料理にも活用できるだし醤油となり、人気が広がっていきました。作っているのは2021年で創業160年を迎える、大分県臼杵市のみそ・醤油メーカー、フンドーキン醬油(大分醤油協業組合)です。
だしには2種類のかつお節を使用することで、味や香りに幅が出ます。そして、おいしさを左右するのは、醤油づくりの命ともいえる「麹」。工程にも徹底的にこだわり、自社で製造しています。
蒸した大豆と炒った小麦を砕いて種麹菌を振りかけ、温度と湿度を調整しながら良い麹になるように丁寧に管理すること3日間。それを大型の発酵タンクに移し、半年かけてゆっくりと発酵熟成させると、もろみができあがります。工場の敷地内には、最新のスーパーステンレス製や大きな木製など、約80基もの発酵タンクが並びます。中には、樹齢400年のヒバ材で作られ、ギネス世界記録に認定された、高さ9m、直径9mもの「世界一の木樽」も。
出来上がったもろみは布の上に平たく入れて最大450枚重ね、その重みやプレス機でじっくりと絞り出されたものが、元となる生醤油です。麹からもろみ、醤油になっていく過程はもちろん、だしを取る作業も一切手を抜かず、自信を持って届けられる商品を作ることができるのは老舗のなせる技なのだと実感。また、だしを取ったあとのかつお節と絞った醤油かすは、それぞれ魚と牛のエサに使用。貴重な資源を最後まで無駄にしません。
かつおだしがきいた、やさしい甘さのうまくちしょうゆ。卵かけご飯にもよく合い、バターと一緒に絡めると和風パスタ、マヨネーズと合わせてサラダのドレッシングのように楽しむなど、この1本でどんな料理にも使えます。

「うまくちしょうゆ」はこんなふうにしてできています!

麹を作る部屋は温度30℃、湿度100%近くを保ちながら、3日間かけて麹をつくります。

平たく広げた布に熟成が終わったもろみを入れ、重ねていきます。その数は最大で450枚にも。

2種類のかつお節によるだし取りは、旨味がしっかり出るよう的確なタイミングで混ぜます。

だしや調味液などを合わせ終え、あとはタンク内で充填を待つだけのうまくちしょうゆ。

さまざまな分析を行う検査室。塩分やアルコール成分、pH値など、規格に合格してから充填へ。

エア洗浄したボトルに、目にも止まらぬ速さで充填されていきます。1分間で最大150本が完了。

梱包前にラベルのはがれや商品に不具合がないかを人の目で最終チェックをして出荷しています。

毎日、醤油の状態を厳しく検査する、「醤油官能検査員認定試験」に合格した官能検査員も活躍。

コープ九州の生活情報誌クリム19年9月号より

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